Wood Program / 北欧の国フィンランドで木造建築

Moimoi. どうも、Taichiです。 森と湖の国ことフィンランドから、建築やデザイン、留学、教育など幅広い分野に首を突っ込んでいきます。

働きたくない学生の言い訳

「社会人」と「学生」という線引きは、「新人一括採用」というシステムによって作られたラインであって、それ自体が何か意味を持つものではないんじゃないでしょうか。

 

 

 

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「社会人」という言葉を辞書(日本国語大辞典)で引くと、「学生に対して用いられる言葉」とあります。ある基準線があり、「学生」の対岸にいるのが「社会人」である。つまり「新人一括採用」と「就活」という、戦後の日本が均質な人材を量産するためのシステムが作った線引きの上に定義されているのが「社会人」という言葉です。語釈から分かる通り、それ自体に特別な意味を持つわけでは無く、単純に「学生」の対となるものとして作られた言葉です。

 

 

 

 

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先のシステムは日本独自のものです。そして社会人という言葉はそのシステムに紐づけられている。その証拠に、英語には社会人に対応する言葉は見出し語ではなく、「社会」の派生語として載っているだけです。

 

 

 

 

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学生の定義は単純明快ですが、社会人はその内包するものが広大で多様で、一括りに出来るものではありません。あくまでも学生の対義語であって、定義が自立していない。そんな定義の甘い言葉を使ってあれこれ議論しても、糠に釘というものではないでしょうか。

 

就活と新人一括採用は高度経済成長を支えた画期的なシステムでした。企業はオートマティックに人材を確保でき、雇用された人たちは「終身雇用制度」と「年功序列」という安定を約束された庇護を手に入れることが出来ました。

 

 

しかしもはや日本は成長を続ける時代ではなくなりました。2007年にピークを迎えた生産年齢人口の減少に伴って、地価やGDPが上がり続ける時代は終わりました。何もかもが右肩上がりの時代に作られたシステムが、今後も都合よく回るとは思えません。

 

 

そんな時代にあって、学生が膨大な時間を割く先が「就活」であっていいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

要するに僕はまだ働きたくありません・・・。

林業ツアー in 東吉野町&川上村

Moi.

どうも、Taichiです。

 

奈良県は吉野へ、林業ツアーに行ってきました。

同行は二人。

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もともと吉野とは縁があって何度も訪れていました。吉野といえば桜ですが、桜を見に行ったことは一度しかなく、製材所や工場などの見学ばかりです。

今回も御多分に洩れず、桜ではなくスギやヒノキを見に行きました。4月の下旬、多分観光地では桜が綺麗だったんだろうな…。

 

 

 

まずは東吉野村へ行き、大前銘木店の大前さんに銘木の倉庫や山仕事の様子を見せてもらいました。大前さんは一人で山の手入れ、伐採、搬出、販売をしているスーパーおじいちゃん。御歳68。ひょろっと見えるのに筋肉ムキムキ、その辺の大学生でも腕相撲では勝てないレベル。自然で身につく筋肉は違うなぁ。

 

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林業は息の長い仕事で、植樹から伐採の1サイクルがなんと60年から80年。今切っている木は大前さんのおじいさんが残してくれた木々だそうです。

木を伐採する時期は決まって冬。春や夏に伐採してしまうと、虫に食われたり、腐りやすい木になってしまいます。原因は中の栄養分。 

 

今は4月。伐採を終え、乾燥しておいた材木を山から搬出し、製材所や倉庫へ運んでいきます。搬出はヘリか手出し。ヘリで出す分は一週間前に全部終わったそうな。見たかったな。

 

ヘリで出すのは傷がついてはいけない高級木材などで、床の間などに使われるものです。いわゆる銘木。製材せずにそのまま使います。今回搬出していくのは通常の材木。製材して整え、柱などに使います。

この山には林道がないので、搬出に大掛かりな林業機械が使えません。麓までワイヤーで引きずったり、滑り落としたりして運びます。かなりの重労働+非効率さ、でも急峻な地形ゆえ仕方ないのです。

 

 

一見普通に移動しているように見えますが、あたりは平坦なんてまるでない、すごく急な斜面です。いつ転げ落ちるかわからない恐怖と戦いながら撮影していました。

 

 

 

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 樹齢30~40年ほどのスギやヒノキが立ち並び、風に揺らめく様子は美しく、よく手入れが行き届いた山ほど光が燦々と降り注ぎます。

 

吉野林業は500年の歴史があり、最も古い林業地とも言われています。その特徴は密植。通常なら3000本の苗木を植える面積に、なんと10000本もの苗を植え付け、その後徐々に間伐を繰り返します。超密植の理由は光。ひしめき合った木々はそれぞれの葉っぱで空を覆い尽くし、あたりは暗くなります。木にとって光は命。なんとかして隣の木より光を獲得しようと、上へ上へと伸びてゆくのです。そのため、吉野のスギ、ヒノキは他の産地よりもまっすぐ、一定の太さで育ちます。

 

そんな美しい山と木々を誇りに、大前さんは毎日山仕事に勤しむのでした。

 

この後は川上村の樽丸職人を訪ねます。それは次の記事で。

では。

新概念と流行り言葉、サスティナビリティにコミットする?

Moi.

どうも、Taichiです。

 

 

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三浦しをんの「舟を編む」を一日で読み切ってしまいました。

映画で何度もぼろ泣きしたのですが、小説では辞書作りに対する想いの方がひしひしと伝わって、辞書を愛でたいなぁという気持ちでいっぱいです。

 

そんなわけで今日は言葉の話。

 

 

 

ニート」という言葉が世に広まってから久しいですが、元々の意味を知っている人はどれくらいいるでしょうか。wikipediaを引用してみます。

 

ニートイギリス英語: Not in Education, Employment or Training, NEET)とは、就学就労職業訓練のいずれも行っていないことを意味する用語である。

 

 

我々が普段使っている意味と違うことに気づきましたか? 日本語の「ニート」が意味するところは働く気のない怠け者、無職、場合によっては失業者やフリーターなど、定職に就いていないものまで含めることがあります。これらはオリジナルから見ると完全なる誤用ですが、日本語としては既に定着してしまっています。

 

イギリスで作られた「NEET」という言葉は、「教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者」を一括りに表す新しい概念でした。対して日本語の「ニート」とは、今まで「すねかじり」「穀潰し」「プー太郎」などと言われていた人を表す言葉の代用としてまかり通っているに過ぎません。

 

言葉は次々と新しく生まれ、その意味は刻々と変化していきます。新語の中には既成概念を言い換えたものもあれば、新しい概念を表すために作られたものもあります。「ニート」は前者で、「NEET」は後者です。そして「ニート」は流行り言葉であって、いつかは廃れて行きます。

 

言葉にも流行り廃りがあり、そしてそれがあたかも全く新しい概念を表す言葉かのように振る舞うことが多々あります。ありがちなのはカタカナ英語。日本語にも言い換えられる言葉をあえて英語を使うのは、「流行り」だと言わざるを得ません。

 

しかし英語には、日本語に元々存在しなかった概念を表す言葉が多々あります。最近の言葉では「sustainability」や「identity」、古くは「society」「individual」などがあります。「持続可能性」「自己同一性」「社会」「個人」などは、これら新しい概念を表す言葉を翻訳して作られた新しい日本語でした。

 

むやみやたらに流行り言葉を使うことは、受取り手の混乱を招きます。「結果を約束する」といえばいいところをあえて「結果にコミット」と言い換えることは、プロモーション戦略以外に妥当な理由はありません。流行り言葉なのか、新しい概念を表す新語なのかは慎重に判断せねばならないのです。

 

今の時代、辞書を引く人も少なく、言葉に対して敏感な感性を持つ人も少ないように感じます。言葉は想いを伝えるための道具ではありますが、もう少しその道具への敬愛の念があっても良いのではないかと、常日頃から思うのです。

 

では。

 

 

 

 

 

森のようちえんをクラウドファウンディングで支援 / 家族との付き合い方・伝え方

Moikka.

どうも、Taichiです。

 

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自然保育!森のようちえん園児の為の園舎を作りたい!(内田幸一(うっちゃん)) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

 

森のようちえんを存続させるためのクラウドファウンディングを支援しました。

森林再生のためには、建築家や林業家の努力だけでは足りません。一般の方々の木に対する想いが必要です。だから木育や自然保育は日本の山のことを考えると、必要不可欠なのです。僕は直接子供達に木の素晴らしさを教える機会がないので、この保育園を支援します。

 

 

さて、本題はこのクラウドファウンディングではなく、小一時間前僕に起こった出来事。

 

支援額を一万円にするか三千円にするか迷いました。できれば一万円がいいけど、そんなに安い額じゃない。一人だと高いなら何人かで出せばいいじゃない、と思い母に「ちょっとこれ読んでみて。この保育園のクラウドファウンディング、支援しない?」そう話しかけた瞬間…

 

「いやー!嫌嫌イヤイヤ!!」

 

なんなんその拒絶、いやいや何回言うねん。「支援」とか「クラウドファウンディング」って言葉が胡散臭く感じたんでしょうか。文章を読みもせず全力拒否。僕は物事を知ろうともしない母に呆れと怒りを感じてその場をすぐに立ち去りました。

 

 

 

伝え方が悪かったんだろうか。もっと時間をかけて話をすべきだったんだろうか。

日頃の行いが悪いんだろうか。もっと真面目に振舞っていれば話を聞いてもらえたんだろうか。

 

家族と真面目な話をするのが苦手だ。別に家族仲が悪いわけじゃない。ただ、人には見せない部分を家族には常に見せている。唯一、人目を気にせず接していられる人だからこそ、わかってもらえない部分があるんだと思い始めている。

 

でも、本当に大事なことを世の中に広めようとするとき、説得しなければならないのは、目の前にいる母親のような、何も知らない人たちなんだ。この壁がいかに大きくて、分厚くて、小手先じゃ通用しないものか、悩まされる。人を説得するのは難しく、理論や正論がもろく崩れ去ることがいつでも起こりうる。伝わらなければ、言ってないのと同じだ。

 

僕の家族は変化や革新を望まない。安定と安心があればそれでいいんだ。日本中に同じような人がたくさんいる。僕らの子供や、その先の世代がどうなろうと知ったこっちゃない。目先のことを考えるので精一杯。一生懸命何かをやっている人たちを知りもせず嗤い、疑い、遠ざける。そんな人たちを相手にしなければならないと思うと、憂鬱な気分に苛まれる。

 

 

人を動かすにはストーリーが必要だ。物語が必要だ。それは人に憧れを抱かせ、感情移入させ、そして行動を促す。

「今でなければ  あなたでなければ  ここでなければ」

リノベーションスクールで大島さんが語った言葉だけど、人を説得しなければならない全ての場面において必要な考え方なんだと思う。

 

トーリーが語れるようになりたい。人を、良い感情で動かしたい。

「あなたがこれをすることで、喜ぶ人がいるんだ。よかったね。」って。

 

では。

 

 

 

 

 

 

全人類の半数が経験してきたことがなぜタブー?

Moimoi.

どうも、Taichiです。

 

これから話すことは、あなた自身の問題かもしれない。

あなたの隣にいる人の問題かもしれない。

そう、確率は50%

だけど半分の人は、全く知らない。

 

 

我々は小学校、中学校と性教育を受けます。思い出せますか?男と女に分けられて、お互い何を学んだのかわからないこと。そのあとの女の子たちが妙に恥ずかしがっていたこと。何をしたかを聞いても答えず、謎の袋を大事そうに抱えていたことを。

 

タブーはそこから始まっていました。なぜ男が生理を知る機会が平等に与えられないのでしょうか。生理は女性だけの問題ですか?答えは否。

 

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 それは恥ですか | ちゅるゆーか

 

生理用品を買うと決まって黒い袋で渡される。生理用品を買うことは恥ですか?TENGAじゃあるまいし。

 

男女が平等な社会って、女が男に近付くことではなくて互いの違いを認め合ってカバーし合えるってことだと思うので。 

 

これこれ。ずっと思ってた。男女が同じになる必要はなくて、というか不可能で、互いの何が違って何が同じなのか。どうすれば違う部分を補えるのか。それを考えることが一番大切。多分”平等”じゃなくて、新しい名前をつけたほうがいい。

 

 

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「生理バディを作ってみたら?」SHELLYさんが提案するカラダとの向き合い方

 

 

生理のことを話せる相手を決めておこう。「辛い時辛いと言えたらいいな」って誰かが歌ってたように、話すだけで気持ちが楽になることはありますよね。話しやすい雰囲気を作ることや、相手の様子や表情を察して声をかけてあげることは誰にだってできることです。肩代わりはできないんだから、それくらいは。

 

正直言って男は生理やつわり、妊娠出産がどれだけ辛いのか、一生知ることはできません。だからこそ、女性も男性に伝える努力をしてはいかがですか。「これだけ辛いんだよ。」って。言えるだけで良くないですか。その一歩がお互いの理解の一歩です。

 

Ladies Be Openは女性に、生理のことを「言っていいんだ。もっと話していいんだ。」と教えてくれます。

 男性には、女性特有の悩みがいかに彼女たちの当たり前であるか、男性にとって当たり前ではないかを教えてくれます。

 

 一人一人が正しい知識を身につけない限り、この問題は解決しません。

 

一人一人が正しい知識を広めようとした時、事態はより良い方向へ進んでいきます。

 

ぜひ周りの人に、友達に、家族に、そしてあなたの隣にいる人に

 

生理の話はタブーではないことを、教えてあげてください。

 

 

 では。

 

 

教育はいかに変わるか、変わるべきか

Moimoi.

どうも、Taichiです。

 

物を書くのはアナログ派ですか?デジタル派ですか?

僕は振り子のようにあっちこっち。

楽しめたら、いいじゃん。

 

 

 

「学校教育は500年間変化していない。強いていうなら椅子の色が変わった。」

 

 

edXのCEOはそう語ります。

*edXについては後日記事を書きます。

 

社会の構造や価値観などが大きく変わった後も教育だけは500年前と同じく、教室に通い、教師の話を聞き、ノートを取るという行為を続けています。このままでいいんでしょうか?

 

しかしどう変えればいい教育となるのか、簡単に答えが出る問いではありません。

 

ふと、昔読んだ本を思い出しました。

 

http://taichi0404.tumblr.com/post/158305087283/なるほど非常によくわかります今の教育システムは産業革命以降の社会に適した人材つまり工場での

taichi0404.tumblr.com

 

教育の目的とは。その根本的な問いが、目の前に立ちはだかっています。

そしてその一つの答えが、この言葉に凝縮されているように感じました。

 

「自ら率先して工夫をする人。それがこの国に必要な人です。」

 

 

与えなくていい。施さなくていい。導かなくてもいい。

必要なものは自分で作る。なかったら考える。

「僕にもできる」「私にも作れる」

失敗してもいい、やってみよう。そう思わせることができれば

 

DIYの精神はやがて自然に身につき、ちょっとずつ世界はよくなっていくのでは。

 

 

頭より、手を動かして

 

それぞれが、できることを。

 

 

では。

 

 

 

建築と林業で花粉症が治るワケ

Moimoi.

どうも、Taichiです。

 

花粉症の方に朗報です。僕は花粉症をこの世からなくすことができます。

 

世の中には花粉症に対する治療法が数多くありますが、どれも対処療法かあるいは発症してからの治療です。もちろん年々進歩しているのですが、もっと根本的な解決をしよう!!というのが僕の主張です。その仕組みを説明します。

 

そもそもなぜ花粉症という病気が存在するのか。日本の花粉症といえば80%以上がスギ花粉症です。原因は日本の山に高密度に植えられたスギの木。スギ花粉の量が、自然が処理できる量をはるかに超えてしまっているため、都市部まで大量の花粉が飛び散り、一人一人の許容量を超えてしまった結果花粉症が発症するのです。

 

ではなぜ日本の山には、そんなたくさんのスギの木が植わっているのか。

戦後の日本は住宅難に見舞われていました。人口が爆発的に増えていく中、イケイケどんどんで新築住宅も増えました。これから木がもっと必要になるだろうと見越した人たちは人工林を増やし、スギの木を大量に植えていきました。

しかし木はそんなに早く育つものではありません。林業とは途方もなく長いスパンで考えなければいけないものです。その間に住宅の数は飽和状態となり、木の需要は減っていきました。スギの木の適切な伐採時期は樹齢50年か60年前後なので、戦後にたくさん植えられたスギの木は伐採適齢期に迫っています。しかしその大量のスギが切られていない為に花粉が飛び散っているのです。

 

「なんだ、じゃあ木を切ってもっと使えば済む話じゃないか」

いえ、そんな簡単な話ではないのです。

木が切られずに放置されているのにはいくつかの原因があります。

 

1. 新築着工数が減って木材需要が落ちた。

2. 安い外国産材に押され、高い国産材は価格競争に敗れた。

3. 木を切っても売れない状況は多くの山守たちを廃業に追い込んだ。

*山守とは山の手入れを生業とする人たち

 

高いと売れない、売れないと切らない

切らないと山は不健康になり、健全な植林サイクル、生態系、土壌を守れなくなっていくのです。その結果が豪雨による土砂崩れであり、熊や猪の被害であり、そして花粉症なのです。

 

この「国産材が売れない」状況を解決するために、僕は留学します。

具体的には

”日本の山の現状をより多くの人に知ってもらう”

”子供達の為の木や山の教育、「木育」を広める”

”建築と林業が一体となって、山にお金を還元できる仕組みを作る” 

 

木のこと山のことを知らなければ、山の問題を理解することはできません。

まずはみんながこの問題を「自分ごと」と捉えることが重要です。

 

フィンランドでは誰もかれも夏になると森へ出かけ、ベリーやキノコを抱えきれないほど摘みます。「森のおかげで私たちの生活が豊かになっている。」その事実を知っているからこそ、彼らは森を大切にし、敬い、時には怖れています。そしてそれは都市と森の物理的、精神的近さに現れています。

 

日本の国土は68%が森林です。いやでも都市と山との距離は近くなるのですが、我々は山を意識することはあまりありません。それが精神的距離の遠さ、です。多くの人は私たちの生活が山によって支えられていることを知りません。綺麗な空気、美味しい野菜や魚、豊かな植生や動物たち、美しい街並み、全て山からの恩恵によって成り立っています。そういった山に関する基本的知識を教え、木をもっと身近に感じてもらう。それが木育です。

 

そして建築と林業の問題。現在建築業と林業は全く別の世界にあり、連携が取れていません。建築家は価格やデザインで材料を決め、山のことは考えず、林業家は逆に建築家が何を求めているのかを知りません。正しい森林に対する理解を持った建築家が必要です。そしていかに山にお金を還元するか、その意識を持って設計をすることが重要です。価格だけを見ていては山は衰退する一方です。

 

国内の木材利用は70%を外国産材がまかなっています。国産材率をを100%以上に押し上げ、外国に日本の強く美しい木材を輸出できるようになれば、日本の山はかつての健全さ、美しさ、多様さを取り戻し、花粉症は見事この世から消えて無くなるでしょう。

 

では。